子どもがスマホを手放せない、ゲームをやめられない──そんなとき「依存かも?」と疑ったら、まずは正確な評価が必要です。
本記事では、ネット依存・ゲーム障害の**スクリーニング(初期評価)とアセスメント(詳細評価)**に使える代表的なツールをご紹介します。
教育・医療・福祉・家庭など、あらゆる現場で役立つ内容です。
ネット依存・ゲーム障害の評価が必要な理由とは?
ネット依存やゲーム障害は「気のせい」で片づけられません。正しいスクリーニングとアセスメントの重要性を解説します。
- 依存傾向があっても、必ずしも「診断名」がつくわけではありません。
- 親や支援者の主観だけでなく、客観的な評価が必要です。
- スクリーニングは「気になる兆候の把握」、アセスメントは「依存の深さや背景の理解」を目的とします。
【前提知識】スクリーニングとアセスメントの違いとは?
混同されがちな「スクリーニング」と「アセスメント」の違いをわかりやすく解説。ネット依存の評価には段階が必要です。
項目 | スクリーニング | アセスメント |
---|---|---|
目的 | 兆候の早期発見 | 問題の詳細把握 |
対象 | 広く(予防的) | 疑いが濃厚な人 |
方法 | 簡易な質問票など | 専門家による聞き取りや標準化検査 |
【スクリーニング】ネット依存の兆候をチェックする3つの質問票
ネット依存やスマホ依存の初期兆候をチェックするための質問票を3つ厳選。現場ですぐ使える形式で紹介します。
1. YoungのInternet Addiction Test(IAT)
- 全20問の質問票
- 「どれだけネットに夢中か」「現実生活への影響はあるか」を評価
- 点数で軽度~重度を判定可能
- 日本語版あり
2. スマートフォン依存傾向簡易尺度(SAS-SV)
- 全10項目のスマホ依存向け質問票
- 若者向けに開発されたツール
- 学校現場や臨床で使用例多数
3. ゲーム障害簡易チェックリスト(IGDS9-SF)
- ゲーム障害の診断に活用される9項目
- WHOの診断基準(ICD-11)に準拠
専門家以外でもできる初期対応とは?
家庭や学校でもできるネット依存への初期対応とは?チェック後の対応方法と相談先を紹介します。
- スクリーニングの結果に一喜一憂しない
- 家族で使用ルールや時間を話し合う
- 学校の先生・スクールカウンセラーに相談
- 深刻な場合は児童精神科・思春期外来へ
- 専門機関を探す第一歩|治療施設リストを確認しよう
ネット依存・ゲーム障害が疑われる場合、まずは信頼できる専門機関で情報収集を。久里浜医療センターが公開する治療施設リストには、全国の精神保健福祉センターや医療機関がまとめられています。以下のリンクから最新の情報をチェックできます 【ゲーム障害・ネット依存・スマホ依存の治療施設リスト】(久里浜医療センター)
まとめ|依存の可視化が第一歩。適切な評価が支援につながる
ネット依存・ゲーム障害は、見えにくく気づきにくい問題です。 だからこそ、正しいツールを使って“見える化”することが重要。
評価結果をもとに、家庭や支援者が一緒に「できること」を考えていくことが、回復への第一歩です。
???? ネット依存の評価・支援に関するご相談はこちら
作業療法士として15年の経験をもとに、状況に合ったツールや対応をご提案します。
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