📱 子どもがスマホやゲームに夢中。でも話をしようとすると怒る…
「またゲーム?いい加減やめなさい!」
「そんなにスマホ触ってたら将来どうなるのよ!」
——そう言いたくなる気持ち、ありますよね。
けれど、思春期の子どもに強く言えば言うほど、かえって反発されたり、会話を拒否されたりしてしまいます。親としては心配しての言葉でも、子どもにとっては「攻撃された」と感じてしまうのです。
そんなときに役立つのが、**動機づけ面接(Motivational Interviewing:MI)**の考え方です。
💡 動機づけ面接とは?
動機づけ面接はもともとアルコール依存症や薬物依存症の治療に使われてきた心理的アプローチです。
最大の特徴は「相手の内側から“変わりたい”という気持ちを引き出す」こと。指示や説得ではなく、共感と対話を通して行動変容を促す技術です。
森山沙耶さんの著書『子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド』では、専門的なMI理論をわかりやすく、親でもすぐに使える形にして紹介しています。
🗣️ 難しい会話の“入り口”は「評価しない聞き方」
❌ NGな会話の始め方:
- 「またYouTube?勉強は?」「ずっとスマホしててバカになるよ」
- → 子どもは「うるさい」と壁を作ってしまう
✅ OKな会話の始め方:
- 「今日はどんな動画見てたの?」「最近ハマってるゲーム、どんなとこが面白いの?」
- → 興味や楽しさを否定せずに“観察者”として関わる
森山さんの本でも「まずは“対等な人間関係を築く”ことが、子どもの本音を引き出す第一歩」と紹介されています。評価や指導ではなく、“聞く姿勢”が重要です。
🏡 家庭でできるMI的アプローチの実践例
例1:スマホ使用時間の相談
親:「最近、夜ふかし気味だよね。どうしたら朝スッキリ起きられると思う?」
→ “やめなさい”ではなく、“子ども自身に考えさせる”聞き方
子:「うーん、寝る前のスマホやめるしかないかも…」
→ 親が言わずとも、子どもが自分で解決策を言い出すことが理想です
例2:ゲーム時間のルールづくり
親:「一緒にルール考えない?無理のない範囲で」
→ “上から決める”のではなく、“一緒に決める”という共同作業にすることで納得感が生まれやすい
🌱 「変わりたい気持ち」は誰の中にもある
思春期の子どもも、自分の生活や依存傾向にどこかで不安を感じていることがあります。ただ、それを素直に認めたり表現するのが難しいだけなのです。
親が「聞いてくれる存在」でいることが、子どもにとって安心できる土台になります。
MIではこれを「エンゲージメント(関係性の構築)」と呼び、最も重要なステップと位置づけています。
📖 参考図書のご紹介
『専門家が親に教える 子どものネット・ゲーム依存問題解決ガイド』(森山 沙耶 著)
親がすぐに使える会話のコツ、ルール作りの方法、専門機関との連携など、実践的な知恵が満載の一冊です。
図解や4コママンガも豊富で、「どう言えばいいのか分からない…」という保護者にとって心強い味方になります。
✍️ まとめ:怒るより、聴く。問い詰めるより、寄り添う。
ネット・ゲーム依存の問題は、親が“敵”になることで悪化してしまうことがあります。
だからこそ、共感的に聴く力、子どもの変化の芽を信じる姿勢がとても大切です。
「うまく言えない…」「また失敗したかも」と感じても大丈夫。子どもとの会話は“やり直し”がききます。
まずは今日、**「何してたの?」ではなく「最近どんなことが楽しい?」**という一言から始めてみませんか?
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