不登校の定義と分類、原因、そして家庭での対応まで、やさしく解説します
「うちの子、最近学校に行きたがらない…」「これって不登校なの?」
そんな疑問や不安を抱える保護者の方へ。この記事では、文部科学省が定義する不登校の意味や、原因に基づいた3つの分類、そして家庭でできる対応についてわかりやすく解説します。
不登校とは?文部科学省による定義
文部科学省では「不登校」を、次のように定義しています。
病気や経済的な理由を除き、心理的・情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景によって、年間30日以上学校を欠席している状態
✴️ ポイント
- 単なる怠けではなく、心や体からのSOS
- 子ども自身の意思だけでなく、周囲の環境要因が大きく関わる
- 無理に登校させるのではなく、背景の理解と適切な支援が大切
不登校の3つの分類【原因別】
子どもが不登校になる背景は1つではありません。ここでは、代表的な原因に基づく3つのタイプを紹介します。
① 心理的・情緒的要因型
不安、緊張、恐怖、抑うつなど、こころの不調が原因になるタイプです。
例:
- 友達との関係がうまくいかない
- 先生に怒られるのが怖い
- 学校での居場所がない
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② 身体的要因型
頭痛や腹痛、めまい、起立性調節障害などが原因で、体がつらくて登校できないケースです。
例:
- 朝起きられない
- 登校前にお腹が痛くなる
- 病院では異常なしと言われるがつらそう
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「起立性調節障害」「朝になると具合が悪い」「学校の時間だけ体調不良」
③ 環境的・社会的要因型
家庭や学校、地域社会など、子どもを取り巻く環境の問題が背景にあるタイプです。
例:
- 両親の不仲や離婚
- 転校直後に馴染めない
- SNSトラブル、ネットいじめ
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不登校は「子どもからのサイン」
「学校に行きたくない」と言ったとき、それは本音ではないかもしれません。
「本当は行きたい。でも怖い」「行けるなら行きたいけど、体が動かない」
そんな複雑な気持ちを、子どもはうまく言葉にできないことが多いのです。
❌やってはいけない声かけ
- 「怠けてるだけじゃない?」
- 「甘えてるの?」
- 「行かなきゃダメでしょ!」
✅こんな声かけが安心に
- 「どうしたの?つらいことあった?」
- 「学校のこと、無理に話さなくていいよ」
- 「今は休んでもいいよ」
家庭でできる不登校の初期対応【作業療法士の視点から】
✔ 無理に登校させない
毎朝「行こうよ」と言い続けると、かえってプレッシャーに。
まずは心と体を休める時間が必要です。
✔ 朝の生活リズムを保つ
登校しなくても、朝起きて朝ごはんを食べるだけでOK。
昼夜逆転にならないよう、日中の活動を少しずつ増やすことがカギです。
✔ 子どもの話を「評価せずに」聴く
アドバイスよりも、**「共感」と「安心感」**を意識しましょう。
無理に理由を聞き出そうとせず、「聴いてくれてありがとう」と言われるような関わりを。
支援につながる選択肢
不登校が続くと、親子だけで抱え込みがちです。以下のような支援先があることも知っておきましょう。
- スクールカウンセラー(学校内で相談)
- 教育支援センター・適応指導教室(通学の練習ができる)
- 児童精神科・医療機関(こころと体の診断や支援)
- 発達支援・福祉サービス(放課後等デイなど)
まとめ|「今の気持ち」に寄り添うことから
不登校は、決して「わがまま」や「甘え」ではありません。
それは、子どもが自分を守ろうとする大切なサインです。
まずは、
「行かせる」ことよりも「わかろうとする」こと。
「何があったの?」ではなく、「今、どんな気持ち?」と問いかけてみてください。
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