✅この記事のポイント
- 身体の不調から始まるタイプの不登校を解説
- よく見られる症状と「隠れた心のSOS」を見逃さないための視点
- 医療受診の目安や相談先、家庭でできる生活支援も紹介
🧍♀️身体的要因型の不登校とは?
このタイプの不登校では、頭痛・腹痛・倦怠感・めまい・朝起きられないなどの体の症状が原因で、登校できなくなるのが特徴です。
多くの場合、医療機関では「異常なし」と言われることも多く、周囲に理解されづらい傾向があります。
☑ よくある症状
- 朝になると腹痛や頭痛が出る
- 登校時間になると動けなくなる
- めまいや立ちくらみが頻繁に起こる
- とにかく「だるい」と訴える
- 日によって体調が安定しない
⏰起立性調節障害(OD)との関係性
中学生〜高校生に多く見られるのが、**起立性調節障害(Orthostatic Dysregulation)**です。
💡起立性調節障害とは?
自律神経の乱れによって、血圧や心拍数の調整がうまくできず、朝起きられない・立っていられない・頭痛や倦怠感が強いなどの症状が出る病気です。
🔍主なチェックポイント
- 朝が特につらく、午後になると元気になる
- 長時間立っていられない
- 体育や登校時にふらつく・気分が悪くなる
- 体調不良があるのに、病院で異常なしと言われる
🧠体の不調の背後にある“こころ”のSOS
身体的な症状があっても、心理的・情緒的な要因と無関係とは限りません。
- 「行かなきゃ」と思うほど体に不調が出る
- 感情を言葉にできず、体で表現している
- 本人も理由がわからず混乱していることが多い
🛑誤解されやすい対応に注意!
❌「気の持ちようでしょ?」
→ 本人のつらさを軽視してしまうと、関係が悪化します。
❌「起きなさい!遅刻するよ!」
→ 朝起きられないのは意思の問題ではなく、自律神経の問題です。
🏠家庭でできる対応|作業療法士の視点から
✔ 「起きる時間」より「活動する時間」を意識
- 朝9時にリビングに来られたらOK
- 午前中に軽い活動(ストレッチ・着替え・音楽)を取り入れる
- 午後からは創作活動や読書など、「できること」に集中
✔ 睡眠・食事のリズムをゆるやかに整える
- 就寝前のスマホ・ゲームを控える
- 朝は太陽光を浴びる(体内時計の調整に◎)
- 水分と塩分を意識した食事(OD対策にも有効)
✔ 子どもの「つらさ」を信じる姿勢が大事
- 「またお腹痛いの?」ではなく「今日もつらいね」
- 日記や絵で症状を記録しておくと医師に伝えやすい
🏥医療機関を受診する目安
以下のような場合は、医療的な評価が必要です。
- 数週間以上、朝起きられない・学校に行けない状態が続く
- 頭痛や腹痛が頻繁で、日常生活に支障がある
- 起立性調節障害が疑われる
- 気分の落ち込みや不安症状も見られる
🔗受診先の選択肢
- 小児科(起立性調節障害の初期対応)
- 児童精神科・心療内科(身体症状+情緒面のアプローチ)
📘学校との共有方法
医療機関を受診した場合は、次のように学校と情報共有するとスムーズです。
- 診断名や症状の特徴を担任に伝える(例:「ODのため朝の登校が困難です」)
- 医師の指示で段階的な登校にすることをお願いする
- 「朝の出席は無理でも午後だけ参加」など柔軟な対応を依頼
📝まとめ|“身体症状”の奥にあるものを見つめて
身体の症状で登校できない子どもは、「学校がイヤ」なのではなく、「体がついてこない」のです。
さらにその奥には、心のストレスやプレッシャーが隠れていることもあります。
子どもの「つらい」を信じて、無理なく日常生活を整えながら、必要に応じて医療や支援機関とつながることが大切です。
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