はじめに|中学入学後、突然学校に行けなくなる…
小学校までは元気に通っていたのに、中学に入った途端、登校を渋るようになった…。
そんな相談を受けることが年々増えています。
このような中学進学を機に現れる不登校の背景には、**「中1ギャップ」**と呼ばれる環境・心理の急激な変化があります。
この記事では、中学1年生に特有の不登校の要因と、保護者ができる支援についてわかりやすく解説します。
中1ギャップとは?|中学進学がもたらす“見えないストレス”
✅中1ギャップの主な変化
- 担任制→教科担任制へ(先生が複数になる)
- 授業スピードや学習内容が急激にレベルアップ
- 部活動や上下関係など“中学生ルール”への適応
- 人間関係の再構築(小学校と違う生徒・学区が混ざる)
- 定期テストや内申点など、“評価”へのプレッシャー
これらの急激な変化が、**「学校に行けないほどのストレス」**となって表れることがあります。
よくある子どものサイン|中1不登校の特徴とは?
- 「中学に入ってから疲れやすくなった」
- 朝になると強い頭痛や腹痛を訴える
- 学校の話をしなくなる、部活に行きたがらない
- イライラしたり無気力になったり気分が安定しない
- 登校しぶりが増え、欠席日数が徐々に増加する
🌟ポイント:中1の不登校は、「行きたいけど行けない」葛藤の中で、心身にSOSが出ていることが多いです。
背景にある3つの主な要因
① 心理的な未熟さと自尊心の揺らぎ
中学1年生は、まだ子どもでありながら、周囲からは「もう中学生なんだから」と求められることが多くなります。
そのギャップが、自己否定感や自信喪失につながることも。
② 学習への不安と「できない自分」
定期テストや内申制度の導入で、「点数」「順位」「比べられること」が急増します。
苦手意識が強まると、“失敗したくない”気持ちが登校拒否に変わることもあります。
③ 人間関係・いじめ・SNSのストレス
友達関係が変化し、うまく馴染めなかったり、LINE・SNSでのトラブルが不登校のきっかけになることも。
表に出にくい“心理的いじめ”も中学生になると増加します。
保護者ができる対応|“責める”より“理解する”
❌やってはいけないこと
- 「みんな頑張ってるよ」と比較する
- 「中学なんだから自立しなさい」と突き放す
- 「もう1年生じゃないでしょ?」と子ども扱いしない
これらはすべて、子どもの不安を強めてしまう原因になります。
✅家庭でできる3つのこと
1. 気持ちの「揺れ」を認める
「不安になるのも当然だよ」「環境変わったもんね」と共感し、感情を受け止める。
2. 無理に登校させない
長期的に見れば、“休む力”も大切な回復過程。休んでいる自分を責めないような声かけを。
3. 安心できる家庭環境を整える
“学校に行けない日”も笑顔で迎える。テレビやゲームを禁止せず、まずは家庭が安心の場であることを優先。
専門的な支援の活用を検討しよう
- スクールカウンセラーや担任と連携
- フリースクールや適応指導教室の活用
- 児童精神科・発達外来・作業療法士との相談
🌟保護者だけで抱え込まず、“子どもを理解してくれる大人”を周囲に増やすことが大切です。
まとめ|「中学に慣れる」は“自然に起きる”ことではない
中1ギャップによる不登校は、誰にでも起こり得る問題です。
大切なのは、「なぜ行けないのか」よりも、「どうすれば安心できるのか」に目を向けること。
家庭がその“安全基地”になることで、子どもは再び社会とつながる力を取り戻していきます。
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