1. ネット依存・ゲーム依存は「甘え」ではない
現代の子どもや若者にとって、スマホやゲームは生活の一部となっています。依存状態に陥ると、学業や仕事、人間関係に悪影響が出ることも少なくありません。しかし、こうした行動を単なる「怠け」や「甘え」と決めつけてしまうのは大きな誤解です。依存の背景には、ストレス、不安、孤独、自己肯定感の低下など、さまざまな心理的要因が隠れています。
2. 認知行動療法(CBT)とは何か?
認知行動療法(CBT:Cognitive Behavioral Therapy)は、思考(認知)と行動の関係性に注目し、問題行動や感情の改善を図る心理療法です。CBTでは、以下のような点にアプローチします:
- ネットやゲームに走る前の思考や気分のパターンを明らかにする
- 問題の背景にある「自動思考(ネガティブな思い込み)」を見直す
- 新しい行動パターンを試みる
CBTは、薬物治療に頼らずに行動を変化させる点で注目されており、多くの依存症や不安障害、うつ病などにも適用されています。
3. CBTがネット・ゲーム依存に効果的な理由
CBTがネット依存・ゲーム依存に有効である理由は、次のような点にあります:
- 自己観察力が向上する:何がきっかけでゲームに走るのかを明確化できる
- 行動の選択肢が増える:ストレス対処の方法が多様化する
- 再発防止策を考えられる:衝動的な行動に対して事前のプランを持てる
また、治療の初期段階では「スマホを完全に取り上げる」といった極端な措置ではなく、少しずつ使用時間を調整し、代替行動を取り入れるなどのステップを踏んでいきます。
4. 専門家による支援と家族の関与
CBTは専門の心理士や医師のサポートのもとで実施されることが理想ですが、家族の関わりも非常に重要です。本人が安心して振り返りができる環境があることで、変化への意欲も高まりやすくなります。
関連書籍の紹介
1. 『ネット・ゲーム依存に陥る子どもたち』(著:岡田尊司)
→ ネット依存の心理的背景を丁寧に分析。親子関係にも注目した一冊。 Amazonで見る 楽天で見る
2. 『認知行動療法入門』(著:伊藤絵美)
→ CBTの基本的な理論と日常への応用を初心者向けに解説。 Amazonで見る 楽天で見る
3. 『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』(著:樋口進)
→ 依存の兆候、家庭での対応、受診の目安が具体的に紹介されています。 Amazonで見る 楽天で見る
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